
まずは生活費の把握から
家計管理の第一歩は、“支出がどれだけ必要か”を知ることです。
前回の記事では、「生活費がいくらかかっているか」をざっくりと計算しました。
今回はその続きとして、把握した生活費の「余ったお金をどう扱うか?」 という話です。
数字は減らないのに「実質的に損する」理由
多くの人が「とりあえず預金しておけば安心」と考えます。
……でも実は、ここに大きな落とし穴があるんです。
実際には、ほぼゼロ金利の日本では、預金=現状維持ではありません。むしろマイナスです。
「預金して数字が減ってないのに、なぜ損するの?」と思うかもしれませんが、
理由はインフレ。
例えば2025年12月時点での日本のインフレ率(全国・前年同月比)は、約 3.0% と報じられています。
手元に100万円を預金しておいても、24年後には物価上昇の影響で「実質50万円分の価値」しかない計算になります(72の法則で計算:72÷3.0% ≒ 24年)。
つまり、「元本保証だから安心」と思っていたはずの預金が、実は毎年約3%ずつ価値を削られていく仕組みになっているのです。これって、額面上の数字を変えないためだけに、銀行に“逆手数料”を払い続けているようなものですよね。
🔎補足:72の法則とは?
「資産が何年で2倍になるか」をざっくり計算できる便利な目安。
72 ÷ 年利(%) = 資産が2倍になるまでの年数 で求められます。
例:年利6%で運用 → 72 ÷ 6 = 12年で2倍。
大まかな目安なので正確な将来を保証するものではありませんが、投資の効果を直感的に理解するのに役立ちます。
インフレが起こる背景
インフレは景気の波にあわせて“起きたり落ち着いたり”を繰り返すものですが、現在の日本で物価が上昇している主な理由は以下の通りです。
- 円安(輸入コスト増)
- 原材料やエネルギーの高騰
- 人件費の上昇(最低賃金アップ・人手不足)
インフレは永遠には続かないものの、景気や世界情勢によって強弱が繰り返されます。
🔎 まとめ:インフレは“周期的な現象”。今の日本は「外部要因+構造的問題」で物価が高い
まとめ:じゃあ、どうする?
結論:お金の価値を守りたいなら、「預金だけ」から卒業する必要があります。
もちろん「絶対に元本を減らしたくない」という人は預金で構いません。でも多くの人は「今あるお金を将来に残したい、できれば増やしたい」と思っているはず。
そのためには、インフレに負けない仕組み作り(資産形成)が必要です。難しいことをする必要はなく、一般の人が無理なく取り組める方法としては「有価証券(投資信託・株・債券など)」を利用するのが王道。
そして今の日本なら、そのために NISA(少額投資非課税制度) を使うのがベストです。税金面の優遇が大きく、仕組みもシンプル。専門知識ゼロでも始められます。
「投資=危ない」と決めつける前に、
まずは今あるお金の価値を、この先も同じように保てるのかを一度考えてみてください。
次回は、資産形成に使われる代表的な資産の種類と、その中でもインフレに強い選択肢について、
できるだけシンプルに解説していきます。
Wrote this article この記事を書いた人
ゆ様 男性
3歳の息子と1歳の娘を育てる2児の父。 2人目の誕生をきっかけに1年間の育休を取得し、家事・育児に全力で向き合う。 10年以上にわたり投資を続け、元本を倍以上に育ててきた。 「堅実な投資」と「合理的な節約」がモットー。 FP(ファイナンシャルプランナー)資格保有。妻は専業主婦。 家族との時間と、お金のゆとりの両立を目指している。