
「老後2000万円問題」って、一時期かなり話題になりましたよね。
でも最近ふと思ったんです。
「あれ、元データって結構前じゃなかったっけ?」と。
調べてみると、あの話の元になったのは2017年の家計調査でした。
つまり、“2017年の物価”を前提にした数字なんですよね。
そこで、今の基準で調べ直したら違った数字が出てくるんじゃないかと思って、
ざっくり計算してみました。
老後2000万円問題ってそもそも何?
まず、「老後2000万円問題」を簡単に整理すると、
- 高齢夫婦無職世帯
- 年金収入だけだと毎月約5.5万円赤字
- その赤字が30年続くと約2000万円不足
という話です。
つまり、
「老後に2000万円使う」
ではなく、
「年金だけでは足りない差額が約2000万円」
という意味なんですね。
ちなみに2017年時点の平均支出は月26万円ほど。
年間にすると約312万円です。
これ、別に豪華な暮らしではありません。
むしろかなり“普通の生活”に近い感覚だと思います。
でも2017年から物価、上がってません?
ここが今回の本題です。
例えばインフレ率を年2.5%と仮定すると、物価は複利で上がります。
そして有名な「72の法則」を使うと、
- 72 ÷ 2.5 ≒ 約29年
つまり、約29年で物価は2倍になります。
実際、2017年から2026年までの9年間でも、
- 2000万円 × 1.025^9(=約1.25 )≒ 約2500万円
くらいの感覚になります。
つまり、
老後2000万円問題は、2026年時点では「老後2500万円問題」に近い
という見方もできるわけです。
今36歳の人が65歳になる頃は?
さらに考えると怖い……いや、現実的なのがここです。
例えば36歳の人が65歳になるまで約29年。
インフレ2.5%が続けば、その頃には物価はほぼ2倍です。
つまり、
- 2026年感覚の2500万円
↓ - 2055年には約5000万円相当
になる可能性があります。
なので、
「老後2000万円問題?そんなの昔の話でしょ」
ではなく、
「将来的に老後を迎えるころには、5000万円必要になっている可能性もある」
ということなんですよね。
じゃあ5000万円ないと終わりなの?
ここはかなり誤解されやすい部分です。
別に、
「5000万円現金で持っていないと人生終了」
という話ではありません。
老後って実際には、
- 年金
- 投資
- 働く期間
- 生活費
- 持ち家かどうか
- 健康状態
などの組み合わせで成り立っています。
なので、人によって必要額はかなり違います。
例えば「普通の会社員家庭」だと、老後はどうなる?
ここまでの話を、かなり一般的な家庭モデルでざっくり考えてみます。
モデルケース
- 夫:大卒・一般企業勤務
- 22歳〜60歳まで会社員
- 厚生年金をしっかり納付
- 妻:同年代
- 子ども2人
- 生活費は平均程度
- 資産運用なし
- 60歳時点の貯蓄は中央値レベル
という前提です。
年金はいくらくらい?
現在の基準だと、夫婦の年金額は合計で月20〜23万円程度が一般的と言われています。
年間だと約250万円前後ですね。
一方、2017年の家計調査ベースでは、高齢夫婦無職世帯の平均支出は、
- 月約26万円
- 年約312万円
でした。
つまり、
- 年金:約250万円
- 支出:約312万円
だとすると、
毎年50〜70万円程度の赤字
になる計算です。
これが、いわゆる「老後2000万円問題」の元ネタです。
さらにインフレを考えると…
ここが重要です。
例えばインフレ率2.5%が続くと、
- 約29年で物価は約2倍
になります。
つまり、2017年時点で年312万円だった平均的な生活費は、
2055年頃には名目上かなり大きな金額になります。
38年で約2.5倍になるので、約780万円です。
かなりインパクトのある数字になりました。
もちろん年金も物価に合わせてある程度増えていきます。
ただ、日本の年金は「マクロ経済スライド」という仕組みもあり、完全にインフレに追いつくとは限りません。
なので、
将来的には「不足額」が少しずつ広がる可能性がある
というのがポイントです。
退職金と貯蓄があれば、即破綻ではない
例えば一般的な会社員家庭なら、
- 退職金:約2000万円前後
- 60代時点の貯蓄中央値:約1000万円前後
というケースもあります。
つまり、
老後5000万円必要のうち、老後開始時点で3000万円前後の資産
を持っている家庭も珍しくありません。
なので、
「老後2000万円問題=全員破綻」
ではないんですよね。
ただし、
- インフレ
- 医療費
- 介護
- 長寿化
などを考えると、
「年金と預金だけで完全安心」とも言いにくい時代になっています。
老後の考え方、ざっくり3パターン
① 年金中心で生活レベルを調整する派
これは王道です。
- 年金をしっかり受け取る
- 支出を抑える
- 老後は自然に生活規模を下げる
という考え方です。
② 老後も軽く働く派
最近多くなってきて、今後もかなり増えそうなのがこれ。
- 週2〜3日だけ働く
- 趣味を兼ねる
- 副業する
みたいな形です。
実は月5万円でもかなり大きくて、
年間60万円。
20年続けば1200万円分です。
かなりインパクトあります。
③ 現役時代に投資して不足分を減らす派
自分は割とこれ寄りです。
ここで大事なのは、
「全部を賄う」
ではなく、
「不足分を小さくする」
という考え方。
少しずつでも積み立てておけば、将来かなり効いてきます。
すでに資産がある人はかなり有利
これも大きいです。
例えば、
「老後2500万円問題」
だったとしても、
今500万円資産があるなら、
「残り2000万円問題」
に変わります。
しかも投資していれば、単純な引き算以上の効果があります。
若いうちの資産形成って、
「将来必要な労働量を減らす」
効果がかなり大きいんですよね。
まとめ:老後は「完璧に備える」より、「不足を減らしていく」時代かもしれない
ここまで色々書いてきましたが、個人的には、
「老後5000万円ないと終わり!」
みたいに極端に考える必要はないと思っています。
実際には、
- 年金
- 退職金
- 貯蓄
- 投資
- 働き方
- 支出の最適化
などを組み合わせて、多くの人は老後をやりくりしていくことになります。
ただ一方で、
- インフレ
- 長寿化
- 低金利
の影響で、
「預金だけで安心」
という時代ではなくなってきているのも事実です。
だから最近は、新NISA のような制度も整備され、
「長期で少しずつ資産形成していく」
方向に国全体が動いています。
もちろん投資にはリスクがあります。
やる・やらないは最終的には本人の判断です。
でも少なくとも、
- インフレを知る
- 老後の不足額を知る
- 年金だけでは足りない可能性を知る
これだけでも、お金との向き合い方はかなり変わる気がしています。
そして何より大事なのは、
「今」を全部犠牲にしないこと
だと思っています。
老後不安だけで、
- 趣味
- 家族との時間
- 子どもとの思い出
- 日々の楽しみ
まで削ってしまうと、本末転倒です。
だからこそ、
- 今を楽しみつつ
- 無理のない範囲で
- 将来の不足を少しずつ減らしていく
くらいのバランス感覚が、案外いちばん現実的なのかもしれませんね。
Wrote this article この記事を書いた人
エフ 男性
4歳の息子と2歳の娘を育てる2児の父。 2人目の誕生をきっかけに1年間の育休を取得し、家事・育児に全力で向き合う。 10年以上にわたり投資を続け、元本を倍以上に育ててきた。 「堅実な投資」と「合理的な節約」がモットー。 FP(ファイナンシャルプランナー)資格保有。妻は専業主婦。 家族との時間と、お金のゆとりの両立を目指している。